大抵の技工指示は指示書に書かれてくるのみが一般的だと思います。私は補足情報や今後の工程確認、シェードなどはメールでいただくことが多いのですが最近秀逸だと思ったのが画像にあるものです。
内冠セット後の修正した仮義歯を印象し注意事項を書き込んであります。やっている先生方はいるのかもしれませんが、私のところに来たのは初めてな気がします。印象前にアナライジングした模型に書き込んで送ることはあっても、書き込まれて返ってくることは大人の事情でしょうか、あまり無い様に感じます。
う〜ん。これはわかりやすい。もちろん注意事項を考慮して最終補綴物を仕上げますので、セット時に調整することが少なくなるのではないでしょうか。
同じ先生の別ケースで、以前製作した下顎両側遊離端義歯の改変依頼がありました。
何も聞いてはいなかったのですが、義歯を外しやすいように両側義歯床部分に帯状のノブが追加されていました。おそらく義歯装着後に外しづらいと要望が出て対処されたのでしょう。
その後別ケースで6番支台、7番欠損のコーヌスのケースがきました。
外冠ピックアップ印象後、指示書に維持力が強いので弱めるよう箔を貼ってくださいとありました。
50代の男性患者さんでパワーもありそうですし、これもノブあったほうが良いかもしれないと思いました。時間的問題で事後承諾となりましたが前装レジンにて帯状にノブをつけておきました。
大臼歯のコーヌスはどうしても歯牙が大きくなりやすく、マージン付近のレジン前装するスペースが厳しい場合が多いので、このケースも外冠メタルマージンになっていました。ただ隣接から三日月状にノブを伸ばしたらパッと見メタルが見えません。一石二鳥だけど不要だったら削れば良いし・・・
セット後の先生とのやりとりで、患者さんが「えらいおしゃれなノブがついてるなーって感動していました。」とお知らせいただきました。
こういうことがあると、コンビニより時給の低いこの仕事も楽しいなぁと感じます。